あなたは当てはまる?国内債券投資が向いている人のパターン7選

債券投資に興味があるけど、本当に自分に向いている投資なのか知りたい。大事なお金を使うわけですから、そう思うのは自然なことです。

しかし、債券と債券投資についての解説はたくさんありますが、どのような人が債券に投資するべきなのか、具体的に掘り下げられることはほとんどありません。

債券はどのような人がどのような目的で活用する商品なのか、事前にしっかり知っておくことで、債券の強みを活かした投資ができるようになります。

今回は債券投資が向いている人の具体例についてまとめました。1つでも当てはまれば、あなたは債券投資がピッタリはまるかもしれません。

もしこの記事を読んで債券投資に興味が湧いたら、口座を開いて債券を探してみましょう。

積極的に国内債券がおすすめの人

堅実に増やしていきたい

少しずつでいいから着実に資産を増やしたい、という方には国内債券が強くおすすめできます。多くの債券は満期になると元本が返還される(償還)ため、元本を減らすリスクが非常に小さいからです。ほとんど定期預金と同じ感覚で資産を増やしていくことができます。

他の投資商品、例えば株や金(ゴールド)は大きく上がることもありますが、大きく下がることもあります。そういう波をできるだけ避けて、1年後には必ず今より資産が増えている、そういう投資が国内債券投資です。

国内債券は利回りが低いので、利回りが高い外国債券を検討する方もいると思います。もちろん外国債券のほうが利息は高いですが、購入時より円高になれば評価額がマイナスになることもあります。円安になればプラスになるので必ずしも悪いことではありませんが、確実性を求めるのであれば国内債券のほうが無難です。

為替のリスクを無視し、元本を確実に回収して、コツコツと利息をもらって資産を増やす国内債券は、堅実な投資を求める方にとって他の金融商品より強くおすすめできます。

投資する期間が長くない

 20年以内に投資を終わらせる予定の方にも債券投資が強くおすすめできます。他の商品と違い、債券は時間的な計画が立てやすいからです。

 株や金は数年から10年以上価格が低迷したこともあり、投資期間が短くなればなるほど損をするリスクが出てきます。一方で、債券は投資期間が短いほうが確実に元本を回収できる可能性が高く、より安全になります。

 例えばある程度の年齢で終活を意識していたとします。家を処分したり生前相続などの手続きを進めていくことを考えると、資産は現金にしておいたほうが何かと扱いやすくなります。株など資産が常に変動する資産を相続し、後で値下がりしたり、相続した人間ごとに価格差が出たりすると揉める原因にもなり得ます。

 相続した人間がうまく資産を活用できるとも限りませんし、そもそも超高齢になった自分が適切に資産を取り崩せるかというと、それも確実とは言えません。

 債券であれば、自分が特定の年齢(80歳とか85歳)を迎えるまでに、全て満期を迎えて現金化できるように計画を立てることもできます。そして他の資産と違い、デフォルト(発行体の財務悪化により利息や元本が支払われないこと)が起こらなければ、元本を損なうこともありません。

 投資期間が20年以下と短く、自分の資産をきちんと計画立てて減らしていきたい方には、資産を債券で活用することが強くおすすめです。

現金が1000万以上ある

 現金だけで1000万以上持っている方も、様々な資産のうち現金が1000万円以上ある方にも債券の検討を強くお勧めします。日本の法律では、銀行が破綻した場合1000万円(とその利子)までしか預金が保証されないからです。

 日本の預金保険制度では、1つの金融機関につき1000万円を超えた分に関しては保証の対象外です。1500万円を1つの口座に入れていた場合、万が一その金融機関が破綻すれば、500万円は返ってきません。

 可能性がどんなに低くても、起こったときのダメージが大きいものに対しては備えをしておくのがリスク管理の原則です。これは生命保険をかけておくことと似ています。ほぼ全員が若くして死ぬことがなくても、万が一死んでしまったときに備えて家族にお金を残せるように備えています。銀行預金に関しても同じように備えておくのは、不自然なことではありません。

 保有している現金の額が大きくなればなるほど、万が一のリスクに対して無防備でいる資産もおおきくなります。債券であれば、証券会社が破綻したとしても発行体(債券の発行元)が無事ならその債券を失うことはありません。

 ただし、債券も発行体のデフォルト(発行体の財務悪化により利息や元本が支払われないこと)によって、投資元本やもらえるはずの利息を失う可能性があることは理解しておきましょう。

 万が一の破綻によって受けるダメージを部分的なものに抑えるためには、銀行口座を分けておくのと並んで現金を債券にしておくことが推奨されます。

大きなリターンは求めないが銀行預金よりは利回りがほしい

 利回りは少しだけ良ければいいから、損をできるだけしない投資がしたい。そういう方にも債券投資がおすすめです。特に個人向け国債が良い選択肢になるでしょう。

 2024年11月現在募集中の個人向け国債変動10年の利率は、税引き後で約0.51%です。これ以上の利回りはネット銀行の新規口座開設キャンペーンでしか得られません。(参考: 財務省:現在募集中の個人向け国債・新窓販国債

 国債は日本政府が破綻しない限りは満期を迎え、元本が返ってきます。これは日本のどの銀行よりも破綻のリスクが少なく、かつ定期預金よりも少し良い利回りが期待できます。

 個人向け国債には、1年以上保有すればいつでも解約できるという強みもあります。2回分の利息(1年分の利息にあたる)を返却する必要はありますが、他の債券のように満期を待たなくても、いつでも損をせずに現金化できるのは非常に優れた仕組みです。

 利回りの良い金融機関を調べて定期預金を組んでいるような方にとっては、より高い利回りと解約の容易さ、デフォルトリスクの低さによって強くおすすめできる商品になります。

消去法で債券投資がおすすめの人

資産の増減に耐えられない

 資産が少しでも赤字になれば眠れなくなったり、何度も気になって口座を確認してしまう人には、消去法で債券投資しかおすすめできません。こういう方はそもそも投資に向いていないので、国内債券それも個人向け国債しか選択肢はないと言っていいでしょう。

 個人向け国債は保有して1年経過すれば解約し、元本を回収でるという特徴があります。通常の債券は希望して解約することはできず、時価で売却するしかありません。時価と言ったのは、売買価格が常に変化するためですが、口座の評価額は時価での評価なので、債券であっても口座の残高は上がったり下がったりします。

 個別債券であれば、いくら口座残高が変化しても満期に元本が返還されるため、ずっと持っておけば損はしません。そのことを理解していれば価格の変動に耐えられる、という方は個人向け国債以外の債券を購入してもいいでし、保有期間中の値動きすら気になってしまう方には、いつでも解約可能な個人向け国債のほうがおすすめです。

投資勉強は最低限で済ませたい

できるだけ難しいことを考えずに投資をしたいのであれば、まずは個人向け国債から初めて見ることをお勧めします。個人向け国債は証券口座を開き、入金して債券のコーナーから必要な金額分を購入するだけだからです。Amazonや楽天が使える程度にインターネットが使えるのであれば、操作で詰まることはないでしょう。

 一般的に勧められている投資信託やETFは、購入するのは簡単ですが、保有し続けたり必要時に売却するに当たっては少し知識が必要になります。以下のような問いに自分なりの答えが出せないようでは、うまく利益を得られないかもしれません。

  • 暴落したら一旦手放して様子を見るべき?
  • 大きく値上がりしたら一旦売って利益を確定させるべき?
  • 定期的に積み立てるのか、一括で買うのかどっちが良い?
  • 増えた資産を売って現金化するときのルールは?
  • 相場が上がっている最中は手を出さずに、下がった時に買うべき?

これらは株価が荒れた時(上下動が大きくなった時)常に飛び交う質問です。それだけ事前に考えずに投資を始めて、いざ株価が荒れると不安を抱える人が多いということでもあります。

債券であれば、売り時を考える必要はありません。満期を迎えて元本を受け取ったら、そのお金でまた債券を買うか、そのまま使うか考えればいいだけです。

国内の国債に絞った投資は、勉強量や判断が少なくて済む手軽な投資です。利回りの低さを手軽さの対価として割り切れるのであれば、手間を掛けない投資として検討してみましょう。

一度投資で損を出して引退したことがある

投資を始めては見たけど、想像以上に暴落が辛くてやめてしまった。そういう方が再度投資に挑戦したいのであれば、国内債券から始めることを検討してもいいでしょう。債券の元本保証という特徴が、値下がりに対する不安を軽減してくれるからです。

インデックス投資で脱落したパターンも多いと思いますが、脱落する理由の大半は相場の回復を信じられなかったことです。「一旦売ってもっと下がったら買おう」という意見も多いですが、日々増えていく赤字に耐えられなかったのが本心でしょう。歴の長い投資家は、後で上昇相場が来ることを何度も経験しているので、一時的な下落相場に耐えられます。

つまり、「この相場はいつか回復する」と信じられるかどうかが、投資を継続できるかどうかの鍵となります。

債券は元本が保証されているので、「一時的に下がっても大丈夫だ」と自分に言い聞かせやすくなっています。それでも耐えられない人はいるでしょうが、株などに比べれば保有継続しやすい要素を持った商品と言えるでしょう。

今度こそは投資で確実に利益を出したい、けどまた下落相場が来たら耐えられるのかわからない。そういう方には、下落しても最終的に損をしない債券から投資を再開してみることがおすすめです。

まとめ

今回は積極的に債券がおすすめできる方、消去法で債券にしておくべき方の特徴についてお伝えしました。

債券の最大の強みは元本保証です。決まった時期に元本が返ってくるため、高確率で負けない投資をすることが可能です。利回りの小ささよりも、その確実性に魅力を感じたら、債券で運用することを考えても良いかもしれません。

もし債券に興味が湧いたら、他の記事に目を通したり、実際に証券口座で債券を覗いてみてください。

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